COLUMN
第13回:新入団選手
先日新しい外国人選手が入団しました。私が今年担当する選手は二人ともシーズン途中での加入ということになりました。
たいていの場合、新入団の外国人選手は2月のキャンプイン直前に来日して、都内のホテルで入団会見を行い、キャンプ初日からチームに合流しますが、今年は開幕直前に諸事情により退団した選手がいたため、シーズンの途中に契約を交わした選手が多い一年となります。
過去のコラムでも書いたように、新しい選手の入団を伝えられると、記者会見の質問を予想して、スムーズに通訳できるようにその選手のことを勉強します。
今回はすでにチームに在籍している選手との面識や、その選手のニックネームに関する質問が出ることが予想されたため、ネットの情報を駆使して予備知識を仕入れておきました。
入団会見は都内のホテルで行われ、選手も通訳も正装して臨むことが多いのですが、今回はシーズン途中に加入したため東京ドームで行い、選手はユニフォーム、私はベンチに入るときの格好で会見に臨みました。
そしてこれも過去に記しましたが、日本での生活の基盤を整える第一歩として、ポケットWi-Fiの契約を行いました。まだ来日して間もない選手は時差ぼけも治らない中、首脳陣やチームメートへのあいさつ、入団会見、ユニフォームの採寸、試合で打席に立つときにオーロラビジョンに映し出される映像の撮影など、やらなければならないことがたくさんありますが、どれも精力的にこなします。
通訳者はこのとき、いつもそばにいて、選手が新しい環境に一日でも早く適応できるようにサポートします。必要なものを本人から聞いて、すぐに用具の発注も行います。
しばらくはファームで実戦に参加しながらコンディションを整えることになったため、その間は二軍の通訳が彼を担当することになりますが、一軍に昇格した際には再び私が付くことになります。
彼が日本での生活にいち早く適応できるように、通訳者全員が力を合わせてサポートしていきます。
前田悠也
東京都出身。中学から米国に留学。現在、巨人軍英語通訳